memo

先週末はいろんな人にお会いして話を聴く機会に恵まれて、非常に刺激的だった。「人の話を聴いて、若干苦しくなるような緊張感の中で心躍る」という体験ができたのは久々だった。関東に来てちょうど 1 年、いろいろ振り返って考えてみるタイミングかもよ〜というお告げかもしれないし、忘却曲線にのっけるにはもったいない話がいくつかあったので、書き留めておこうと思う。完全に自分に向けたメモ書き。

スロープと崖の話

スロープを自転車で登ってきただけなのに、時間が経ったら崖の上にいるように見られて、この崖の登り方を教えてくださいとかロッククライミングの仕方を教えてくださいとか言われる。そこで「自転車で登りました」と言うと「はい?」って反応をされる。崖ではなくスロープに目を向けてみると、それを登っていく過程で斬新な発想は必要なく、誰もが思いつく当然のことを粛々とやっていただけ。

これは自分の過去を振り返ってみてもそう思うし、今自分がリスペクトしている人達もきっとそうなのだと思う。現時点でだいぶ高低差がついてしまっているという事実は悔しいけれど、必死にペダルをこぐしかない。ただ、差を埋めるには、自分の気合だけに依存するんじゃなくて、チームに属するなり電動自転車に改造するなりの工夫は必要だと思う。

装備と腕力の話

みんな武器と防具を持っている(例えば、自分は面白法人カヤックという鎧を着てプログラミングという刀を持ってる、とか)。最近の人は武器を磨くのがうまい傾向にあるけど、武器と防具を外したときの腕力がない人が多い。腕力は、学ぶ力と言え換えることもできる。鍛冶屋で武器を磨くときに腕力がつくタイプもいるが、それはレアケース。また、武器と防具を身につけても勝てない格闘家はいる。

腕力は、イメージ通りの気合的な意味合いに加えて、応用力という意味合いも含んでいると思っていて、上の話は「なにか 1 つのことで結果を残せる人はなにやっても結果を残せる」という話にも近い気がしている。人生で始めて出会った経営者の方にも「実際にやめるかどうかは置いておいて、今大学やめろって言われたらやめれる?」と聞かれたことがある。この質問は、「武器に執着してない?」「武器がなくなったときのこと考えてる?」「その武器じゃ歯が立たない相手と闘うことになったらどうする?」とかに置き換えられると思っている。今の自分は総合格闘技よりの闘い方をしてはいるものの、それにしては腕力が足りないと実感している。鍛冶屋で粛々と武器は磨きながらも、腕力をつけていく必要がある。難易度高い。むむん。

きびだんごの話

きびだんご目当てなのかそうでないのかを判別しなきゃいけなくなってくる。だから最初はきびだんごを隠す。鬼ヶ島に行くって話だけしてついてこれる人を仲間にする。ただ、鬼と闘って殺されるようだったり、かばう必要が出てくるようでは連れて行ってもつらいだけなので、強いか弱いかを見抜く眼は必要。腕力の有無はそれを身につけるプロセスを踏んできた人にはわかる(例えば、自分がクラブで踊ってる人を見て、ダンス経験者かそうでないかがなんとなくわかるように)。

今のところ、自分がきびだんごをあげる側に回ることはないと思っているので、まだ実感できない話だなと思う。とはいえ、そういう立場であるからこそ、きびだんごを見てるのかどうかを自分に問いかける癖をつけなきゃいけないとは思う。鬼ヶ島に行くチャンスを見過ごすようなことはしたくない。

ペイフォワードの話

なんとか恩を返さなきゃと思っていたけど、返せるものなんてない。そうなったときに、教わったことをもってして自分が結果を残したり、教わったことを下に伝えたりすることが恩を返すことに繋がっていく。

自分はこれまで、いただいた恩で生きてきたようなものなので、いつかは与える側に回らないといけないなという使命感みたいなものを感じてはいる。が、現状、明確に何かができているわけでもない。最低限、いただいた恩は自らの姿勢・行動に反映して示したいなとは思っている(だけかもしれない)。

まとめ

自分はほっとくと近視になりがちで、そのことに自分で気づくことはなかなかできないし、気づいたとしても 1 人で正すことはできない。これまでも、自分に眼鏡を貸してくれて姿勢まで正してくれる人・環境に定期的に巡り合ってきたのでなんとかなってきた。今回もまた偶然なのか必然なのかそういう機会に恵まれたので、なにか行動・変革を起こすチャンスだとは思う。

とはいえ、世界一周行ってきますとか会社やめますとかそういうことではなくて、やるべきことは「目の前のことに真剣に取り組むこと」だと思っている。そうしたら次が見えるでしょ〜と、過去の経験から楽観的?に考えている、というか信じている。また、今の場所から次が見えないのであれば、それは自分の努力が足りないのだと認識するようにしていて、根本的な状況は他の場所に行ったからといって簡単に変わるものではないと思っている。

未来の話も含めて、自分の一挙一動で失う可能性があるものの大きさ。主に人との繋がり。とりあえず、これを考えることでがんばれそうな気がする。

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